これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2012/05/11

今日から、解剖学実習の担当教授は某教授に交代した。 この教授はたいへん熱心な方であり、我々に「当たり前のこと」を要求なさる。 例えばキチンと予習してくるとか、教科書やアトラスを持ち込んで調べながら解剖するとか、そういうことが要求されるのである。

学生間の多数意見としては、彼は評判が芳しくない。 理不尽な叱責をするとか、注意の仕方が嫌味ったらしい、などというのである。 しかし私の見たところ、彼は至極あたりまえのことしかおっしゃっていない。 それが理不尽や嫌味に聞こえるのは、学生側の思考が歪んでいるからである。

学生の多くは、自ら考え判断して自ら学ぶ、という姿勢を欠いている。 わからないことは先生に聞けばよいと思っており、自分で調べて考えるという習慣がない。 大学生として当然に備えているべき学習姿勢を欠いているのである。 その意味において、我々は大学生失格である。

教授は、我々を、大学生扱いしているだけなのである。 大学生に対し「教科書を開いて、よく調べながら解剖しなさい」などと当たり前のことをイチイチ指示するのは甚だ失礼なことであるから、 「なぜ教科書を開いている班が少ないのか、不思議である」というような婉曲表現をしているだけなのだ。 真の大学生ならば、彼のコメントを耳にして、教科書も開かずに解剖していた自らの怠慢を深く恥じ入るはずである。

2013/07/04 修正

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