これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
乳癌検診などで、マンモグラフィーを行うことがある。 これは乳房を平板で挟み込んで圧迫した上で X 線写真を撮影するものである。 日本医学放射線学会および日本放射線技術学会が医学書院から出している 「マンモグラフィガイドライン 第 3 版」をみると、乳房を圧迫することにより 「乳腺組織吸収線量の減少」を期待できると書いてある。 吸収線量とは、単位質量の対象が放射線から受けとったエネルギーのことであり、 グレイ (Gy) を単位として表すことが多い。 なお、 1 Gy = 1 J/kg である。 あくまで単位質量あたりの話であり、全部でどれだけのエネルギーを受け取ったかは 関係ないことに注意されたい。
よくわからない。どうして圧迫すれば吸収線量が減るのだろうか。 ひょっとすると、ここでは「乳房が放射線にから受けとる全エネルギー」のことを 吸収線量と言っているのだろうか。 そうだとしても、乳房を圧迫しても、結局、乳腺組織の量が減るわけではないのだから 乳房あるいは乳腺組織が受けとるエネルギーは減らないのではないか。 むしろ、細かいことをいえば、薄く広く伸びる分だけ自己遮蔽が減り、吸収するエネルギーの総量は増えるのではないか。
ひょっとすると、圧迫により血行が悪くなり、乳房に含まれる血液が減少する結果、 血液が放射線から受けとるエネルギーが減少することをいっているのかもしれない。
機会があれば、詳しい人に尋ねてみたい。