これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2013/11/03 原子炉物理学の世界

私は原子炉物理学の出身であるが、紆余曲折あり、大学院を中退して、医学の世界に流れてきた身である。 大学院時代には、私の考えはほとんど教授に評価されなかったし、それで嫌になってしまった、 ということが中退しようという心境に至った原因の一部であったのかもしれない。

私は実名で某所に心電図理論に関する所見を掲載しているが、それを読んでくださったある方から、 ある原子炉物理学雑誌に掲載された二年以上前の記事を示して「この記事にある長髪の学生とは、あなたか」との質問を受けた。 私は、その記事を読んだことがなかったのだが、確かに私のことに言及されていた。 その記事を読んで、胸に込み上げてくるものがあった。 記事の著者は原子炉物理学の若手研究者三名で、いずれも、お会いしたり、議論したりしたことのある方々であった。

私は、昨今の原子炉物理学業界で国際的に常識と思われている、とある「法則」に対して異を唱え、 その「法則」は特定の条件下では成立しない、と、原子力学会や国際会議で主張していた。 だが、特にこれという反応は得られなかったし、指導教員も、私の意見には関心を示さなかった。

だが、この 2011 年 3 月の記事では、私が国際会議で発表した論文を引用し、名指しで私の問題意識を評価してくださっていた。 今さらではあるが、皆様に感謝しているし、原子炉物理学を辞めなければよかったと思う。

私の最大の過ちは、正しい主張はいつか必ず正当な評価を受ける、と信じきれなかったことであると思う。 今後は、最後まで自分を信じていけると思う。


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