これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
ある日、某教授による、ある分野の入門的な講義があった。 全体として基本的な内容であり、私は気楽に受講した。
講義を終えるにあたり教授は、何か質問はないか、と問われた。 私は、特別に大きな疑問も抱かなかったため質問を発さなかったし、 他の学生からも、質問は出なかった。 すると、教授はたいへん挑発的な発言をなさった。
学ぶということは、問いを発するということである。 何も質問がないということは、諸君は本当に何かを学んでいるといえるのか、 というようなことを、非常に婉曲な優しい表現ではあるが、おっしゃったのである。
そうまで言われて、なお黙っていたのでは、名大医学科四年生全体の名誉に関わる。 再び教授が、質問はないか、と問うた時、私は挙手して質問を繰り出した。
入門的で基本的な内容であるからと、漫然と受講した怠慢を私は反省した。