これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
カリキュラムの一部において、学外の研究者を招聘して講義をしてもらうことが、しばしばある。 それ自体は良いのだが、対象となる学生が既にどういうことを学んでいて、 どういうことをまだ学んでいないのか、という点については、事前にしっかりと打ち合わせをされるべきではないだろうか。
我々名古屋大学医学部医学科四年生は、既に基礎医学を一通り学んでいるのだから、 リソソームとかエンドソームとかウェスタンブロッティングとか LDL, HDL とかいう言葉の意味はよくわかっているし、 内耳の構造や粥状動脈硬化といったことも、大筋では理解しているはずである。 それを、「リソソームといわれる細胞内の小器官に……」などと、まるでリソソームを知らない素人に話すかのように 説明されると、白けるし、腹立たしくもある。
たぶん、講師の方は我々を馬鹿にしていたのではなく、単に、医学科のカリキュラムを知らなかっただけだと思う。 こういう事態が生じたのは、招聘する側の教員の落ち度ではないか。