これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2013/09/09 「有意差はないが 確かに差はある」

先月、某所で、精神科医である某大学教授 (人文系学部) の講演を聴いた。 医学部学生の自殺や留年および退学の問題に関する講演であり、 聴衆は、医学科をはじめとする医療系学生であった。 内容は正直なところイマイチであり、学生からの質問に対しても、きちんと答えない、残念な講演であった。

講演の中で、凄まじい発言があった。女子学生の留年だか何だかの統計データを示し、 「有意差はないが、確かに差がみられる」とおっしゃったのである。

統計学というものを、まるでわかっていらっしゃらない。 「有意差がない」ということは、その集計上の差は単なる偶然の疑いがあり、 「差があるかどうかは、わからない」という意味なのである。 それを「確かに差がみられる」とは、どういうことなのか。


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