これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2013/09/17 医学部のための統計学 (2)

A 君と K 君が議論しているところに、たまたま同級生の O 君が通りかかった。 彼は工学部出身の編入生であり、やはり統計学に詳しい人物である。

つまり、こういうことである。 健常者については三人分の測定を行ったわけだが、その三つの試料の平均は 0.043 mg/dL であり、不偏分散は 4.33 x 10-4 mg2/dL2 であり、その平方根は 0.021 mg/dL となる。

平均 N, 標準偏差 s の正規分布に従う統計量は、たとえば、次のような性質を持つ。 この統計量が N + s より大きい値を取る確率と N - s より小さい値を取る確率は等しく、それぞれ 16% 程度である。 同様に N + 2s より大きい値を取る確率は 2.3% であり、 N - 3s より小さい値を取る確率は 0.2% にも満たない。 しかし逆に、0.1% よりは高い確率で、N - 3s より小さな値を取ることがある、ともいえる。

統計学の教科書では「正規分布を仮定すると」などとさりげなく書いてあり、 さも当然の仮定であるかのような顔をしているが、実際には、この程度の意味でしかない。 もちろん、測定を 3 人分ではなく、もっとたくさん反復して行えば、良い推定が得られるかもしれないが、それは別の話である。

続きは後日

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