これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2013/09/26 CT スキャンと高度医療

昨年度であったと思うが、何かの講義で、CT スキャンなどの医療行為のために、 日本人は諸外国人に比べてかなり多量の被曝をしている、という話があった。 その時の教員は、これは日本では高度な医療行為が高頻度で行われているためである、と主張し、私は違和感を覚えた。

その論理でいえば、すなわち、諸外国は貧乏で CT スキャン装置が普及していないために、 CT スキャンを実施する機会が少なく、結果として様々な疾患が見逃され、あるいは誤診されている、ということになる。 はたして、本当だろうか。

CT スキャンを実施して、被曝による発癌のリスクを背負うのも、 そのための高額な費用を負担するのも、医者ではなく患者である。 それを「高度な医療だ」などと威張るのは、時代錯誤というものではなかろうか。


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