これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2014/09/25 Good Audience

11 月に、第 3 回 名古屋大学英語プレゼンテーションコンテスト 2014が開催される。 これは、予め定められたテーマについて口頭発表を行い、そのプレゼンテーション技術を競うコンテストである。 参加資格は、日本語を母語とする名古屋大学の学部学生・大学院生であり、帰国子女でない者、である。 エントリー締切は 10 月 18 日であり、個人または三人一組で申し込むことができる。 私は、これに参加することを検討しているが、未だプレゼンテーションの骨子が定まっておらず、間に合うかどうか不明である。

本日の話題は、発表者ではなく、聴衆の方である。 このコンテストでは、発表者を募るポスターだけでなく、 聴衆としての参加を呼びかけるポスターも掲示されている。 このポスターには、プレゼンテーションの質は、聴衆の質によって大きく左右される、ということが書かれている。 これは確かにその通りであって、聴衆がキチンと自分の方を向いていて、時にうなずき、時に笑ってもらえれば、こちらとしては、たいへん、話しやすい。 一方で、聴衆の多くがうつむいていたり、「何を言ってるのか、わかんねーよ」とでも言うような顔をされると、発表者も焦るし、とても話しにくい。 「聴く技術」は、重要なのである。

名古屋大学医学部医学科の学生の多くは、残念ながら、この「聴く技術」が非常に乏しい。 だいたい、講義室の座席が後の方から埋まっていき、前三列ほどが空席になっている時点で、聴衆としての自覚に乏しい。 講義中も、無表情にメモを取るばかりであり、中には堂々と途中入退室する不届き者までいる。 いったい、講師の話にうなずき、首をかしげ、あるいは首を振って反対の意思を表明するなど、コミュニケーションを取る努力をしている学生が、どれだけいるのだろうか。 以前にも書いたが、単に出席して座ってメモを取るだけの学生は、自分が講義を妨害しているということを自覚するべきである。

名大医学科にも優秀な学生はいるのだが、彼らも大抵は後方に着席している。 そこで「もっと前に来なさいよ」と声をかければ、まず間違いなく「前に行きすぎると、スクリーンが見にくい」と反論される。 このように、優秀な学生でさえも自分が情報を受け取ることにばかり集中し、講師に対して講義中に情報発信する努力を怠っていることは、実に遺憾である。 また、つまらない配慮によって講義中の質問を自粛し、講義終了後にまとめて質問しようとする姿勢も、よろしくない。 もちろん、「講義中に発言してはいけない」というような意味不明な空気が強く流れているのは事実であるから、講義中に質問するのは非常に難易度が高い。 私自身、講義中に挙手して発言する際には、かなりの気合とエネルギーを必要とする。 それでも、可能であれば講義中に質問を試みるぐらいの意欲は、誰もが持つべきであろう。


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