これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2014/08/26 研修病院候補

北日本の某名門大学附属病院の見学に行ってきた。これも、放射線部門と病理部門の見学である。 この大学病院における診療・研究・および教育体制は非常に素晴らしく、特に病理部門の見学においては、 ここは日本で最も優れた病院なのではないかと思ったほどである。 どのように素晴らしいのか、ぜひここで紹介したいのだが、当事者がウェブサイト等で宣伝していないので、 部外者である私が勝手に言いふらすのも憚られるから、詳細は割愛する。

しかし自分の進路、という観点からは、 1) 北陸の地方新設大学 2) 北の名門大学 3) 名古屋大学 4) 中国の名門大学 の順番で、現時点では考えている。

地方大学の弱点は、人が少ない、ということであろう。学問は一人で行うものではないから、この弱点は、意外と、重大である。 しかし、そうした環境の中で孤軍奮闘する人々がいるのであって、また彼らは、その学問と志を受け継ぐ若い人材を必要としている。 私が行かなければ、一体、誰が行くというのか。

また、恵まれた環境、整った教育体制、名門のブランドが、はたして、本当に我々の未来を明るくしてくれるのかという疑問もある。 たとえば日本で最も優れた教育体制を誇る京都大学について考えれば、その卒業生の大半は、あまり大した人物になっていない。 極めて稀に、突然変異的に天才というべき卒業生、たとえば湯川や朝永のような傑物が現れるから勘違いされるだけであって、ほとんどの卒業生は、凡庸である。 むしろ、格下にみられがちな大阪大学の方が、優秀な人物を数多く輩出している。 と、いう話を、入学直後の 2002 年 4 月に、私は某教授から聴いた。

正直な気持ちを率直に述べれば、私は、上述のような考察とは全く無関係に、北陸の某地方大学に熱情を寄せている。 三年前、私が大学院を中退し、人生の路頭に迷い、ほとんど全てを諦めていた時に、あたたかい言葉をかけ、私を受け入れることを表明してくれたのは、あの大学であった。 もし、彼らが私を必要としてくれるのであれば、どうして、それに応えないという選択があろうか。


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