これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2014/11/29 確信犯

名大医学科生の間では、かなり、非常識な言動がまかり通っている。 たとえば、病院内での実習中など公の立場にある時には、親しい友人であっても、あだ名などで呼ぶことは慎しむべきであり、姓に敬称を付して呼ぶのが社会常識である。 これは通常、大学で教わるような性質のことではなく、社会生活の中で当然に修得すべき作法であるから、「教わっていない」とか「言われていない」とかいう弁明は認められない。 また、講義中に講義室の前側の扉から出入りしてはいけないとか、試験でカンニングをしてはいけないとか、 図書館内で飲食してはいけないとか、食堂で性器や便の話をしてはいけないとか、このようなことも、言われねばわからない、あるいは言われてもわからない者がいる。 ひょっとすると、これらが道徳に反すると理解した上で、敢えてそのように振る舞うことをカッコイイ、あるいは面白いと思っているのかもしれないが、 それならば彼らの知能は小学生レベルであり、大学に入る資質を有していない。 こうした不道徳な言動をみてみぬふりをすることは、これもまた不道徳であるから、私は、適宜、その旨を指摘することにしている。 しかし、どうやら彼らは私のことを「アイツは、細かすぎる、アイツこそ非常識だ」などと認識しているようであり、私の言葉には、大抵、耳を貸さない。

はたして、非常識なのは、どちらか。 彼らは、たぶん認識していないのだろうが、「名大医学科」という肩書は、かなりの程度、世間では免罪符として通用してしまうらしい。 彼らが非常識な言動をしても、世間は「名古屋大学医学部といったら、偉い人達なのだから、多少の悪い点は許してあげるべきだ」とか、 「医者の多くは非常識で世間知らずだから、医学部生の非常識な言動も、仕方ない」とか思うのである。 その結果、医学部生の方も「世間では、これで通用するのだ」と勘違いし、自分達の偏狭な社会でしか通用しない歪んだ認識が、 まるで社会から許容されているかのように錯覚しているのである。

もちろん、私も、私の考えが比較的、社会常識に近いと信じるだけの具体的で明確な根拠は、有していない。 従って、蓋然性は極めて低いとはいえ、彼らの考えこそが社会常識であり、私の方こそが本当に非常識なのかもしれない。 その場合、私は確信犯であるということになるが、それならそれで、私は、自身の信じる所に基づいて行動するだけのことである。


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