これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2014/11/17 産科婦人科学の教科書

産科婦人科学には、良い日本語の教科書がみあたらない。 医学書院『標準産科婦人科学』は医師国家試験を意識しすぎであるし、 南江堂『NEW 産婦人科学』は事象の羅列のきらいがあり、ストーリー性に乏しい。 学生に人気なのは「STEP シリーズ」の婦人科と産科らしいが、これは「国試本」という位置づけであり、 「監修の序」では監修者が「自慢じゃないが学生時代から現在に至るまで週刊誌と漫画以外には、表から裏まで読み通した本はない」などと不勉強自慢をしているありさまである。 科学者の誇りにかけて、このような本を読むわけにはいかぬ。眼が腐る。

図書館に行くと、英語の教科書には、なかなか良さそうなものが豊富に揃えられている。 もし、私が産科婦人科に情熱を燃やしているのであれば、こうした本のうちから一冊を選んで購入したであろうが、 あいにく私は女性と胎児と英語が苦手であるため、なかなか、そのような気が起きぬ。 MEDSi あたりの出版社が名著の一冊でも翻訳・出版してくれていてもよさそうなものである、と、うらめしく思っている。


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