これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2015/02/10 失礼な研修医と失礼な学生

病院見学や実習などで、研修医や若い医師と医学的な話をする機会がある。 すると、「これは国試に出るよ」などという発言を、しばしば、耳にする。 国試とは、ここでは医師国家試験のことであろう。 彼らは「医師国家試験で高頻度に出題されるから、これはよく覚えておくと良い」と、親切にも教えてくれているのである。

いうまでもなく、私は、医師国家試験を念頭に置いた低俗な勉強は、していないし、するつもりもない。 従って、「国試に出る」などと言われた場合には、苦笑してやり過ごすことにしている。 一方で私は、時々、医学の話をしながら「まぁ、試験には出ない」と発言することがある。 私としては、「こういう面白い話は、試験には出ない。だから、試験というものはくだらないのだ。」というようなつもりで発言しているのだが、伝わりにくいようである。

ある時、同級生の中で特に優秀な学生と医学の話をする中で、つい「まぁ、試験には出ない」と言ってしまったことがある。 この学生は、非常に優秀なだけでなく、学問に対して真面目な人なので、試験に出る出ないなどという低俗な内容を私が口にしたことについて、いたく不快感をおぼえたらしい。 その学生はムッとした様子で、「そんなくだらないことは、どうでもいい」と言った。 私は、意図せぬこととはいえ、たいへん失礼なことを言ってしまったと、反省した。


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