これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2015/03/06 不動産投資

過日、我が母校である麻布中学校・高等学校の卒業生名簿が刊行された。 事前に掲載内容の確認書類が送られてきたのだが、私は、現所属として「名古屋大学医学部 (学生)」と記入して提出した。 しかし実際には「名古屋大学医学部」とのみ掲載されたために、まるで、私が名古屋大学の教職員であるかのような表現になってしまった。

さて、先日、不動産投資を斡旋する胡乱な業者から電話がかかってきた。近頃、同様の電話が何件か続いており、どこから電話番号が漏れているのか不思議であったが、 どうやら、情報源は上述の卒業名簿であるらしいことがわかった。 というのも、その業者は、私が麻布高校出身であることも、名古屋大学医学部の所属であることも知っているのに、私が学生であることは知らなかったからである。 電話がかかってきた時、私はたまたま、某デパートメントストアで買い物をしていた。 興味がない旨を伝えても、なお相手は食い下がってくるので、急ぎの用事はないし、と思い、少しだけ相手をすることにした。

業者は、私が名古屋大学医学部の所属であることを確認した上で「もしかしてドクターですか?」と問うた。 もちろん、私は博士号も持っていないし、医師でもないからドクターではないのだが、「まぁ、一応、ドクター(になる予定)です」と答えた。嘘はついていない。 連中は、一般的な医者の懐事情について、少なくとも私よりはよく把握しているようであった。 年金の代わりだとか、保険のようなものだとか、万が一のことがあった際のためだとか、よく意味のわからないことを述べて、 私にマンションを買わせようとしていた。買ったマンションを賃貸することで、安定した収入が得られる、というのである。 そんなに儲かるなら、彼ら自身がマンションを運営すれば良さそうなものなのに、どうして私などに、そのようなウマい話を教えてくれるのだろうか。 実に不思議である。

私は、徹頭徹尾、「興味ありません」「全く魅力を感じません」「いりません」などと言い続け、何度も話を打ち切ろうとしたのだが、彼は、実に執拗に粘った。 よくわからないのだが、ひょっとすると、医者は格好のカモであると思われているのかもしれぬ。 しかし、不正に名簿屋から入手した個人情報に基づいて営業活動をする業者が信用できないことは、当然である。 アレに引っかかるのは、一体、どこのどういう世間知らずなのだろうか。


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