これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
以前にも書いたが、私はハーバード大学のファンである。 同大学は「ハーバード大学テキスト」としていくつかの教科書を出版しているが、そのうち 『病態生理に基づく臨床薬理学』『血液疾患の病態生理』『心臓病の病態生理』は日本語訳が出されており、いずれも名著である。
これらの教科書はいずれも内容が詳しく、日本の国家試験の範囲をしばしば超越していることから、 「内容が高度すぎる」とか「非常に専門的である」などの指摘を受けることがある。 しかしながら、これはとんでもない誤解である。 というのも、これらの教科書はあくまで学生向けに著されたものであり、ハーバード大学医科大学院の学生は、誰でもこれを読んでいるのである。 時に勘違いしている人がいるが、ハーバード大学は名門とはいえ、あくまで米国の一私立大学に過ぎない。 従って、日本と米国の間で医学の水準に大きな差はないことを思えば、 日本における屈指の名門大学である名古屋大学がハーバード大学より格下だということはない。 すなわち、名古屋大学医学部の学生も、ハーバード大学テキストに示されている程度の内容は、修得していて当然である。