これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
科学の世界において、一部では、徒弟制度に近い師弟関係が存在するようである。 たとえば、A という科学者が B という科学者が主宰する研究室で学生時代や若手時代を過ごした場合、 「A は B の弟子であった」などと表現されることがある。 これは医学の世界だけでなく、物理学界でも、少なくとも過去にはみられた風習のようである。
科学研究にも、たとえば実験のやり方や論文の書き方などに一定の作法はあるから、 こうしたものを教えるという意味では教授と学生は師弟関係にあり、弟子という表現も不適切とはいえないかもしれない。 しかし、旧制第三高等学校の流れを汲む京都大学の出身である私としては、「弟子」という呼称には賛同いたしかねる。 京都大学附属博物館の展示によれば、「自由」を旨とする旧制三高では、教師が生徒に学業を伝授するという一方向の上下関係を良しとせず、 教師と生徒が互いに「さん」づけで呼ぶ習慣すらあったという。