これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
医療業界だか医学界だかでは、書面の宛名において、医師への敬称として「御侍史」というものが使われるらしい。 たとえば、山田太郎医師宛の書面の宛名を「山田太郎先生御侍史」などとするのである。 「侍史」とは、秘書、とか、付き人、とかいう意味であり、「山田先生のような偉い方に直接宛てるのは恐れ多い」というような意味合いである。 この敬称には賛否があり、日本語としておかしい、との批判もあるようだが、とにかく、相手をとても高く持ち上げる敬称である。
私は先日、日本病理学会総会に出席したのだが、その後、病理学会からお手紙が送られてきた。 特に用事があったわけではなく、ただの挨拶状である。 この手紙の宛名が「○○ 先生御侍史」となっていた。 なんと気持ち悪いことであろう。
医師に対して「先生御侍史」などという敬称をつけること自体、どうかと思うが、ましてや、私は学生である。 いったい、どうしたことだろうか。