これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
世間一般では、医者は高収入であると認識されているようである。 それに対し、特に勤務医については、それほど高収入ではない、という声もある。 勤務が過酷であり、時給換算したら安い、などの意見もある。 はたして、本当だろうか。
厚生労働省の報告によれば、 医師の平均年収は、病院や診療所の種別にもよるが、少なくとも 1100 万円程度はあるらしい。 私の考えでは、たとえ勤務内容が厳しかったとしても、1000 万円の年収を得ながら「時給換算では安い」などと述べることは、極めて非常識である。
さらに、医師には、こうした統計には表れない「副収入」が存在する疑いがある。 先日、兵庫県三田市の三田市民病院の院長が患者から計 50 万円の謝礼を受け取っていたことが発覚した、という事件があった。 三田市民病院では患者からの謝礼受け取りは禁止されていたにもかかわらず、である。
さて、以下は、さる筋から私が得た情報に基づいて記載するが、契約上の微妙な問題があるため、情報源については公開することができない。
世の中には謝礼の受け取りを禁止していない医療機関があるらしい。理由は知らぬ。 また、謝礼禁止の医療機関であっても、菓子折り程度であれば受けとっても良いと考える医師は、かなり多いらしい。 さらに、数万円程度であれば無碍に断わる必要はないと考える医師も少なくない上に、 50 万円の場合であっても「受けとって良い」と考える医師が一部には存在するらしい。 こうした「謝礼」が、医師の「収入」として確定申告されているのかどうかは知らない。
我が名古屋大学附属病院では、患者から医師その他職員への私的な謝礼の類は、お断りすることになっているし、その旨の掲示がなされている。 これは当然のことであり、その理由を、いまさらここで説明しようとは思わない。 医師が患者から謝礼を受け取ることがなぜ良くないのか理解できない人は、医学云々の前に、社会勉強をするべきである。