これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2014/06/21 臨床実習でみかけた不適切な言動

6 月 23 日の記事も参照されたい。

臨床実習が始まって、二ヶ月半ほどになる。この間、遺憾ながら、病院の一部医師による不適切な言動を幾度か目にした。 その中で、特に受忍限度を超える三点について、適当なタイミングで大学当局に苦情を申し入れようと考えている。

第一は、セクハラ発言である。 ハラスメントに無理解な者の中には、セクハラとは異性に対する不適切な身体接触などの猥褻な言動をいう、 とする意見もあるようだが、相手が同性であれば問題ない、というものではない。 このことは、厚生労働省による 男女雇用機会均等法令の見直しにおいても明示されている。 大学における教員と学生の関係は、男女雇用機会均等法の適用範囲外ではあるが、 男性教員が男子学生に対し、不必要に性的な冗談を頻発して困惑させる事態があるとすれば、それはセクハラに該当する疑いがある。 残念なことに、このような場面に、私は遭遇したことがある。

たぶん、その教員は場を和ませる目的で、いわゆるシモネタを連発したのであり、私を困らせる意図は全くなかったのだと思う。 しかし、ハラスメントで問題になるのは行為者の目的ではなく、あくまで、その行為を受ける側がどう感じるか、である。 男同士ならシモネタで盛り上がれるはずだ、というのは勝手な思い込みであり、場合によってはセクハラになることを認識していないのは、教員側の落ち度である。

第二は、学生の進路に関する不適切な発言である。 ある実習において、私は、その教員から特に低く評価されたようである。 そのためであろう、最後の総括の場において、その教員は私に対し、半ば冗談めかして、君は臨床医に向いていない、という趣旨の発言をした。

私が臨床医としてはいささかの弱点を抱えている、ということは、私自身、よく認識している。 従って、その教員の指摘自体は、必ずしも的を外したものではないと思う。 しかしながら、そのような重大な指導をするのであれば、冗談めかすのではなく、真剣に私に対して語りかけるべきではなかったか。 また、他の学生もいる場面において、そのような指導をするのは、いかがなものであろうか。 あるいは、ひょっとすると、彼は冗談のつもりで、そのような発言をしたのかもしれない。 しかし、もし本当にそうであったならば、極めて悪質な冗談であり、言語道断である。

私は、仮に臨床医としては凡庸であったとしても、研究医としては、いくつかの点において、他者の追随を許さぬ程に才能に恵まれているという自信がある。 従って、一介の医師ごときに何を言われようと、不快に感じることはあっても、それで重大な精神的苦痛を受けることはない。 しかしながら、もし将来に不安を感じている若い学生であったならば、彼のような不用意な発言により、とり返しのつかぬ心の傷を負う恐れもある。 教育に携る以上、そうした可能性を配慮するのは、当然の義務である。

第三に、特に手術中の暴言である。 一部の医師は、手術中に、不必要に怒鳴りちらし、不適切な暴言を看護師らに投げつける癖があるらしい。 そうした場面を、何度か、私は目撃した。 こうした行為は、職場におけるパワハラ云々という問題もあるが、学生に対する教育という観点からも、不適切である。

2015.03.31 語句修正

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