これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
4 月 12 日の記事で、ワルファリンはビタミン K に拮抗すると書いた。 しかし、どうやらこれは私の思い込みであったらしく、『ハーバード大学テキスト 病態生理に基づく臨床薬理学』によれば、ワルファリンは ビタミン K の還元、すなわち活性化を阻害するのであって、拮抗するわけではないらしい。
なお、『ハーバード大学テキスト 血液疾患の病態生理』では「ビタミン K 拮抗薬」と書かれている。 また、ビタミン K とワルファリンは構造が類似している、という漠然とした記憶があったために、なんとなく拮抗と思い込んでしまったのであろう。
こうした違いは、臨床的にはさほど重要ではないのだろう。 しかし思い込みはイロイロと危険であるから、言葉を発する時には、常に正確さを期すべきである。