これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2015/11/17 非常識である件

三年前にも書いたが、「医者は人の命を救う崇高な仕事である」という表現は、あまり正しくない。 医者が人名を救う場面は確かに存在するが、そういう意味では製薬会社や医療機器会社、自衛官や警察官、消防官も、かなり直接的に人名を助けている。 さらにいえば重化学工業の技術者、工学系研究者などがいなければ、医者の仕事など成立しないし、鉄道整備士らも、医者と同様に人命を助けている。 従って、人命、あるいは社会的責任といった観点から医者を特別視するのは、無理がある。 医師は聖職ではあるが、それは職務の性質からくるものであって、責任の軽重をいっているのではない。

例によって契約上の都合により情報源は詳らかにできないが、某情報サービスによれば、医師の 8 割程度は年収 1000 万円を超えているらしい。 なお、厚生労働省によれば、国立病院の勤務医の平均年収は 1400 万円程度である。 その情報サービスによれば、医師の 3 割以上が収入に不満を持っており、満足しているのも 3 割程度であるという。 一体、何が不満なのかというと、責任の重さに釣り合わない、時間拘束が長い、などの、要するに「割に合わない」というものであるらしい。

だいたい私は、周囲の学生から「非常識だ」などと認定されているようだが、いったい、本当に非常識なのは、どちらだろうか。


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