これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2015/10/24 マッチング結果

一昨日、初期臨床研修のマッチング結果が発表された。私は、予定通り北陸医大 (仮) に決定した。

大学病院のマッチング結果をみると、名古屋大学医学部附属病院の不人気ぶりが目立つ。 なにしろ、名古屋大学出身者で名大病院にマッチした者の数が 0 なのである。 他に自大学出身者が 0 であったのは自治医科大学のみであるが、自治医大の卒業生は原則として出身地に戻ることになっているので除外すると、事実上、0 なのは名大のみである。

我が北陸地方には 4 つの大学病院、すなわち富山大学、金沢大学、金沢医科大学、福井大学がある。いずれも定員割れであるが、金沢大学は充足率が 76.5 % と、比較的高い。 この金沢大学は、昨年は他大学からの志願者が少なかったが、今年は例年並に戻り、39 人中の 12 人が他大学である。 福井大学は例年通りで、24 人中の 4 人が他大学らしい。 富山大学と金沢医科大学は過去 3 年間、いずれも他大学からは 1 人のみという状況が続いていたが、今年の金沢医大には 2 人が来たらしい。 富山大学は、今年で 4 年連続となった。

地方大学の問題点は、このような人材の固定化である。 確かに、正直にいえば、我々のような地方大学には「これが強みだ」というようなセールスポイントが乏しい。 従って、何かを教えてもらおう、という姿勢の学生を外部から呼び込むことは、難しい。

しかし、何か新しいことを成そう、現状を改革しよう、と思うのであれば、むしろ組織が小さく、革新の気鋭に富む地方大学こそ、優れた場になり得る。 ちょうど明治維新の頃に、薩摩や長州といった田舎出身の若者達が革命の原動力となったようなものである。


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