これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2015/10/21 首の皮一枚つながった

臨床科目については、いまのところ、脳神経外科学、泌尿器科学、救急医学、整形外科学、形成外科学が本試験で不合格となっている。 このうち脳神経外科学は既に再試験に合格した。 形成外科学については、著しく不勉強であったのは確かなので、再試験になったのは妥当である。 それ以外の科目に共通しているのは、医師国家試験を強く意識した形式での出題がなされた、ということである。 記述式の出題ならなんとかなったであろうが、出題者の意図に沿うことを求められる選択式の出題は、苦手である。 特に医師国家試験は、特徴的な所見を拾って短絡的に診断することが求められる、という奇妙な、医学的でない出題が主体なので、どうにも、ダメである。

整形外科学および形成外科学については、本試験不合格者にはレポートが課された。 その際、対象者は医局に呼び出され「やるべき時には、やるべきことを、キチンとやり給え」という主旨の叱責を受けた。 過去問をみて対策を講じることが「やるべきこと」なのか、それが名古屋大学なのか、と反論したかったが、どうにも話が通じる相手ではないように思われたので、黙っていた。

再試験の山が積み重なっていることばかりが理由ではないが、近頃、著しく気力と意欲が減退している。昨日は一日中、家でグウタラしていた。 そして夜になって、ハッと気がついた。 整形外科学・形成外科学のレポートの締切が、10 月 20 日だったような気がしたのである。 医局に呼び出されたのが 10 月 14 日であり、その時、締切はだいたい 1 週間後だな、と思ったのだが、正確には 1 週間より少し短かったように思われた。 正確な締切日が記載された文書は大学に置いてあるので確認できないが、いずれにせよ、今から書き始めたのでは、どうしても間に合わない。 とにかく、今は布団に入り、朝になってから締切日を確認して、然るべき対応を練ろう、と考えた。

しかし、どうにも眠れない。 なにしろ整形外科の責任者は病院長の石黒教授であり、厳格な人物であるらしい。 本試験で不合格になったうえ、レポートの期日まで破ったとなれば、単位を認定せず、留年に処されたとしても文句は言えぬ。 というより、期日を守るのは社会人にとって極めて重要で基本的なことであって、それができないような学生は、卒業させてはならないと思う。 国家試験を強く意識した本試験の形式や、過去問で対策することを暗に求める教員の姿勢は問題であるが、レポートの期日の件については、一方的に私が悪い。 レポート不受理とされた場合には見苦しく抵抗せず、そのまま留年を受け入れよう、と、腹をくくった。 スポンサーと北陸医大 (仮) には、早めに詫びを入れねばならぬ、などと考えているうちに、ますます目は冴えてしまったので、布団から抜け出した。

期日が過ぎているとはいえ、一応、レポートは完成させて誠意をみせねばならぬ。 午前 4 時 20 分頃、一睡もせぬままに、レポートを書くため、大学の図書館を訪れた。 そこでレポート課題が記された文書をみて、安堵した。締切は「10 月 22 日」と書かれていたのである。私の記憶違いであった。


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