これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2016/01/24 第 109 回医師国家試験問題

過日、三日間かけて、前回、つまり第 109 回の医師国家試験問題を解いた。 自己採点したところ、必修問題 200 点中 169 点 (合格基準 160 点以上)、一般問題 200 点中 136 点 (同 129 点以上)、臨床実地問題 600 点中 423 点 (同 405 点以上) と、 ギリギリで合格基準を超えていた。 当日、少し睡眠不足であったり、いささかの体調不良でもあれば不合格になる水準である。

ただ単に知らないから失点する、というパターンも 1 割ぐらいはあるのだが、出題内容がおかしいとしか思えない「失点」も少なくない。 出題者が問題をヒネろうとした結果、医学的妥当性が失われているのだろう。過去に何度も繰り返しているが、あの試験は、単なる連想ゲームである。 基礎も総論もいらない、ただ各論知識を積み重ねることこそが、医師に要求される勉強法なのである。 だいたい、CT や MRI の画像を、スライス一枚だけ抜き出して判読させている時点で、既に医学ではない。

第 110 回医師国家試験に私が合格するかどうかは、知らぬ。不合格ということも充分に考えられる。 私は厚生労働省に対する最大限の譲歩として、同省がインターネット上で公表している第 102 回以降の医師国家試験の過去問題と解答 (解説はない) を閲覧したが、 それ以外に国家試験特化対策を講じなかった。 それを理由に私を医師不適格と判定するならば、そうすれば良い。 仮に私が不合格になったところで、困るのは私ではない。 人材の多様性が損なわれ、周囲に合わせて保身に走る医師ばかりが量産されることになり、一般大衆が迷惑するだけのことである。 それは日本の国家的損失であり、人類の利益の逸失であるが、その責任は日本国厚生労働省にある。

こういうことを書くと「頭おかしい」「誇大妄想」などと言われるかもしれないが、むしろ、おかしいのは諸君の方である。 20 代半ばの大学生であれば、自分は天才だ、世界一の名医になる、ぐらいのことを思っていて当たり前である。 それなのに、周囲に合わせれば良い、普通で良い、などと考えるのは、病的な自己の矮小化である。


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