これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2016/09/05 カハールの間質細胞の補足

昨日の記事の補足である。 大事な部分を省いてしまったので、神経堤細胞の遊走障害と慢性便秘症の関係についての推測が、わかりにくかったかもしれぬ。

昨日紹介した Hanani らのレビューなどによると、カハールの間質細胞は、神経堤由来ではなく、中胚葉起源であるらしい。 カハールの間質細胞は形態的には神経細胞に似ているが、解剖学的には神経節細胞と平滑筋をつなぐような位置に存在することを思えば、中胚葉由来でも不思議はない。 発生過程においてカハールの間質細胞に分化するには、幹細胞因子 (Stem Cell Factor; SCF) が必要であり、この SCF は神経細胞などから分泌されるという。 従って、カハールの間質細胞が生じるためには、神経堤細胞の適切な遊走が必要であると推定される。


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