これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
医師は自らの天職をよく承知していなければならぬ。 ひとたびこの職務を選んだ以上、もはや医師は自分自身のものではなく、病める人のものである。 もしそれを好まぬなら、他の職業を選ぶがよい。
これは、長崎大学医学部の玄関ホールに飾られている銘板に記されている、同学部の開祖ポンペ・ファン・メーデルフォールドの言葉であるらしい。
私自身は、長崎を訪れたことがない。 医学部学士編入の際も、長崎大学は受験しなかったが、それには特に深い理由はなかったように思う。 今から思えば、実に惜しいことをした。
はっきり言うと、長崎大学というのは、北陸医大 (仮) と同じく地方大学に過ぎないのであって、京都大学や名古屋大学に比べれば、ブランド力では圧倒的に劣る。 ところが調べてみると、この大学は、北陸医大に勝るとも劣らぬ、気骨のある大学のようである。 長崎大学病院のウェブサイトに掲載されている「病院長あいさつ」には、さりげなく、次のような一言が記されている。
長崎は、地理的には日本の最西に位置しますが、全国のどこにも劣らない医療をこの地で受けられる病院であらねばなりません。
京都大学などには負けぬ、と、言っているのである。九州の果てにある一地方大学が、である。
私は既に北陸医大と共に歩むと決めた身であるから、初期研修を終えた時点で直ちに長崎大学に合流する、というわけにはいかぬ。 しかし、もし何らかの理由で私が北陸医大を逐われたり、あるいは北陸医大が未来への野心を失ってしまった場合には、ぜひ、彼らと一緒に働きたいと思う。