これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2016/11/10 一度は勝負した

私は京都大学を出て、名古屋大学を経て北陸医大 (仮) に来た。 実態はともかく、世間におけるネームバリューとしては、京都大学や名古屋大学というのは、なかなか輝かしい。 そのため、まるで、私が華々しい学問の道から医学に転向してきたかのように誤解する人が、稀に、いる。 そういう人に対しては、私は「学士編入や再受験というのは、要するに、その道でドロップアウトした人が流れてくるところですよ」と言うことにしている。

上述のような私の発言は、事実に反するものではあるまい。 一方で、見識の高い教授などの中には「しかし編入や再受験の人々は、一度は勝負したのだ」などとフォローしてくれる人もいる。 これもまた、的確な指摘であろう。 人生において、勝負することを避け、安全な道、無難な方向を選ぶ若者が少なくない中で、我々には、敗れたとはいえ一度は戦った、という事実を誇る資格がある。

ただし、遺憾であるが、一度敗れたことで戦闘意欲を喪い、残りの人生を無難に送ろうとして医療の道に逃げる者も、稀ではない。 むしろ、編入・再受験組の過半は、そういう者が占めているのではないかとも思われる。

そうは、なりたくない。


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