これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2017/03/08 国際女性デー

3 月 8 日は、国際女性デーであるという。これは 1977 年に国際連合総会で決議されたものであるらしい。 私は、もちろん国連など大嫌いであるが、世界中に蔓延する不当な男女差別を敵視することには賛同する。 この国際女性デーに合わせて、朝日新聞も特集を組んでいる。

日本における男女差別については 2015 年に書いた。 公然と行われている男女差別を不快に思う女性は少なくないであろうが、敢然と反発する人は、少ない。 なぜなのか、と、逞しい女性の幾人かに訊ねてみたこともあるのだが、要するに「イチイチ反発していたら、キリがない。軽く受け流すしかない。」ということであるらしい。 まぁ、そうであろう。 それに、積極的に反発することで、女友達との関係も含めて人間関係がこじれるリスクもあるから、安易には動けまい。 その意味では我々男性陣が動くべきなのかもしれぬが、しかし、正義を軽んじる日本社会においては、当事者以外からの反発は認めない、という風潮がある。 たとえば私が「それは不当な男女差別ではないか」と唱えても、「お前は男だろう」という言葉により封殺されるのである。

さて、この日記は私の友人・知人の一部も読んでいるような気配があるから、あまり際どいことには触れたくないのだが、 正直に書くと、私は、女性に生まれたかった。 別に誤解されても構わないのだが一応書いておくと、これは性同一性障害だとか同性愛だとかいう意味合いではない。 もちろん、女性の方がチヤホヤされて生きやすそうだ、などという失礼な意味でもない。

今の日本では女性科学者が少ない。これは生物学的差異によるものとは考えにくく、社会的要因によるものであろう。 私はアマノジャクだから、どうせ科学者になるなら、ゴマンといる男性科学者ではなく、希少な女性科学者に、なれるものなら、なりたかった。 他にも女性に生まれたかった理由はあるのだが、それはプライベートな話なので、書かない。

もちろん、現在の日本で女性科学者が不当な差別に苦しんでいることは知っている。 業績は適切に評価されず、活躍の機会が与えられないどころか、そもそも科学的議論の機会を不当にも奪われている。 2015 年の記事でも触れたが、学会発表などでも、女性発表者に対しては批判がヌルいことが多い。 すなわち、女性であるというだけの理由で、一人の科学者として扱われないのである。

それでも私は、女性科学者になりたかった。 私なら、そのような頭の悪い男共と、まともに戦えるのではないかと思うからである。

以上のようなことを断片的に話してみたところ、同期の某女性研修医から「あなたが男性だから、そのように思えるのだ。」と言われた。 確かに、隣の芝生が青いだけのことかもしれぬ。


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