これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2017/02/05 労働組合

労働組合というのは、被雇用者たる労働者が構成する組合であって、主として労働契約内容を巡り雇用者と交渉することを目的とするものをいう。 資本主義社会体制おいては、多くの場合、雇用者は被雇用者よりも立場が強い。 というのも、被雇用者は失業した場合に次の職に就くことが一般には容易でないのに対し、雇用者は、代理の労働者を探すことはさほど難しくないからである。 従って、弱い立場にある労働者が団結することによって、雇用者と対等の立場で交渉できるようにすることは重要である。 それを社会的に保障するのが労働基準法などの法令であって、労働組合の立場に法的保障を与えている。

このように、労働組合は社会的に重要な役割を担っているのだが、私は、労働組合に加入していない。 というのも、医師という職業は、他の高度専門技術職と同様に、雇用者よりも必ずしも弱い立場にはないからである。 実際、東京の超有名病院など一部の例外を除けば、多くの病院は医師の確保に四苦八苦している。 逆に医師の方は、就職先にはかなりの自由が効く。 辞められて困るのは病院の方なのであって、医師ではなく、その意味において、労働者の側がむしろ雇用者よりも強い立場にあるといえる。

私は北陸医大 (仮) を愛しており、我が能力を発揮するに最も適した場所は北陸医大であると信じている。 だから、他の病院や大学に比して、いささか待遇が悪かったとしても、それに対して不満を唱えようとは思わない。 しかし、もし大学当局が私に対し明らかに不当な取り扱いをするならば、たとえば自主的な研究の時間を著しく奪うとか、 一般の大学職員よりも低い給与しか払わないとか、そういう場合には、さすがに北陸医大に留まろうとは思わない。 万が一、そういう事態に陥った場合には、当局に抗議した上で、それが容れられないならば北陸医大を去れば良いと考えている。 それで困るのは私ではなく、北陸医大の方なのである。


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