これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
他大学のことは知らぬが、名大医学科では、講義中に携帯電話が鳴ることがあった。 学生ではなく、教員の携帯電話の話である。 多くの場合、教員は「失礼」などと言って電話に出て、「今は講義中だから」などと言って切り、講義を再開していた。 こうした光景には、違和感があった。
京大工学部時代にも、ごく稀に、教員の携帯電話が鳴ることはあった。 大抵、電源の切り忘れ、マナーモードへの切り替え忘れであって、通常、教員は電話に出ず、そのまま切っていた。 極めて稀に電話に出る教員もいないではなかったが、そういう場合は「出るのかよ」と、学生側が失笑した。 社会通念からいって、妥当な反応であると思われる。
医学部の教員に、講義中であっても電話に出なければならない事情があるのかどうかは、知らぬ。 ただ、講義というのは、大学教員にとって重要な職務である。その最中に、どうしても電話に出なければならない状況というのは、私には想像がつかぬ。 たとえば患者の容態が急変したような場合であっても、別の担当医が対応できる体制が整えられているのが普通であろう。
まぁ、ひょっとすると、私には想像もつかぬ、やんごとなき事情があるのかもしれないから、電話に出ること自体は、明らかに不適切であるとまでは断定できない。 ただし、中には、学生に対する詫びの言葉の一つも発さずに電話に出る教員もいた。 これは言語道断である。社会常識をわきまえぬ野蛮人であると言わざるを得ない。