これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
かつて名大時代の同級生で友人の A 君らが指摘したように、北陸医大 (仮) における教育等の水準は、現時点において、名古屋大学より高いとは言い難い。 それは、悔しいが、認めざるを得ない。
初期臨床研修が始まってまだ二ヶ月半にも満たないが、本当のことを言えば、既に、嫌になって、逃げたいという気持ちが少しばかり生じている。 さすがに初期研修の途中で逃亡することはないにせよ、二年間だけを過ごした後に他大学に移る、という考えが脳裏をよぎったのも事実である。 実際、私個人のことだけでいえば、北陸医大に来るより、名古屋に残るか、東京や京都に帰るかした方が、有益であっただろう。
あまり明確に書いたことはなかったかもしれないが、私が北陸医大に来たのは、微力ながら、北陸医大の助けになりたいと思ったからである。 5 年前に北陸医大で受けた厚情を私は忘れていないし、このような大学が世間から評価されずに廃れることがあってはならぬ、と思い、 許されるならば北陸に骨を埋めるつもりで来たのである。 しかし、まだ具体的には書けないが、いくら何でも、あんまりなのではないか、と思う点がないわけではない。 自分の選択を後悔しているわけではないが、こうした現状を初めから知っていたら、たぶん、私は北陸医大には来なかったと思う。
しかし、そうした北陸医大にあっても、理想を抱き、改革を目指して悪戦苦闘している人々、まだ諦めていない人々が、少数ながら存在する。 その人々のことを思えば、やはり、私にふさわしい居場所は、ここなのであろう。