これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2017/11/03 誰もが知っている

私が大学院を中退するとき、某教授から言われた言葉については 3 年前に書いた。 当時は、私は医学科 5 年生の学生に過ぎなかったから、この教授の言葉も、自身の歩む道を信じるための心の支えとして思い起こしたに過ぎない。 しかし、一応は医師免許を取得して一年半が経った現在になって振り返ると、あの教授の言葉は、医学の世界においても完全に通用するように思われる。 試験の成績や指導医からの褒辞などには、何の意味もない。 本当に、どれだけ正しく勉強したかによって、卒業時点で既に雲泥の差が存在する。 その後に医師として生きていく中で、その差は、開くことはあっても縮まることはなく、到底、逆転できるものではない。 周りに惑わされず、自身が正しいと信じる道を往くことである。

さて、某診療所で、所長である北陸医大 (仮) 卒業生の医師と話をした時のことである。 所長は、最近の北陸医大における人事、具体的には 2 人の内科医が教授に昇格したことについて次のように述べた。 はっきりいえば研究業績が抜群なわけではないが、彼らが診療と教育において長年尽力してきたことは誰でも知っている。 北陸医大の人々は、それをキチンとみているし、評価もしている。だから、彼らを教授に据えたのである。 北陸医大には、そういう風土がある。

所長の言葉に、私は勇気づけられた。


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