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2017/11/07 北陸医大出身者の行く末について

過日、福井大学卒である某教員が、某一年次研修医に次のようなことを話していた。 北陸医大 (仮) を卒業して、いわゆる名門大学附属病院や東京などの有名病院に就職する者がいるが、馬鹿げている。 福井大卒や北陸医大卒ごときが、そういった名門出の連中に混じって、まともにやっていけるものか。 医局人事で場末の病院に飛ばされて、そこで一生を終えるのが関の山である。 と、いうのである。

もちろん、これに対し私は、そんなことはない、と反論した。 いわゆる名門大学出の連中の多くが、そのブランドの看板に頼って安楽な道を歩んでいるのは事実である。 しかし、たとえば名古屋大学などは、そういう連中が増えていることに対し危機感を強めている。 そこに、キチンと勉強した者が、たとえば北陸医大から入っていったならば、重宝され、輝かしい道を歩むことも可能であろう。 そういう時代が、やがて、やってくる。我々の時代が来るのだ。

そう述べた私に対し上述の教員氏は、これからの世の中が、そんな風になるとは思えんね、と述べた。

我々の考えは対立しているようにみえるかもしれないが、実は我々は、完全に見解の一致をみていた。 北陸医大を出て名門に移った者の多くが、現状として冷遇されているのは事実であろうが、 これは昨年書いた通り、北陸医大卒であること自体が原因ではない。 要するに、我々は名古屋大学とは違うのだから、看板頼みではどうにもならず、キチンと勉強して、シッカリと実力をつけねばならない。 実力さえあれば、聖路加であろうが虎の門であろうが、どこでだって、通用するであろう。 通用していないのが現状であるならば、単に、北陸医大の過去の卒業生の多くは不勉強であった、というだけのことである。

私は、北陸医大の我々は今後キチンと勉強する、という前提で「我々の時代が来る」と言っているのである。 これに対し上述の教員氏は、既に野心を忘れ希望を喪っているので、北陸医大の連中は勉強しないという前提で「名門に行っても通用しない」と言っているに過ぎない。

繰り返すが、名古屋大学など、大したことはない。設備や予算の規模はともかく、中の人の能力と質についてならば、北陸医大と大差ないのである。 我々が、名大ごときに負ける道理がない。


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