これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2018/01/22 人種差別

先日、ひさびさに極めて不愉快なニュースをみたので、医学とはあまり関係ないが、書いておこう。 朝日新聞の報道によれば、 昨年 12 月 31 日に日本テレビが放送した「絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス 24 時」という番組で、 ダウンタウンというお笑いコンビの浜田という男が、顔を黒く塗って黒人に扮して出演したという。 これについて批判も出たが、そのダウンタウンの松本という男は 「色々言いたいことはあるんですけども、面倒くさいので『浜田が悪い』でいい」とコメントしたという。 また日本テレビは朝日新聞の取材に対し「差別する意図は一切ありません」とコメントしたが、謝罪はしなかったらしい。

私は、この番組をみていないし、浜田という男も、松本という男も知らないので、朝日の報道のみに基づいて書く。

まず、この「演出」が不当な人種差別であるという点については疑いの余地がない。 それがわからない者は、心の底から人種差別主義者である。 この「演出」をみて不快に思わなかった者も、差別主義者の素質があるから、注意した方が良いだろう。

人種差別主義者は、いつも「差別するつもりはなかった」と弁明するが、そもそも、差別しようと思って差別する者は、いない。 皆、無意識に、そのつもりなしに、差別しているのである。 俳優として、黒人役になりきって演技するならともかく、中途半端な扮装で、おもしろおかしく笑いをとろうとするのは、差別である。 それを「差別ではない」などという連中は、かつての南アフリカのような人種隔離だけが差別だと思っているのか。

精神の未熟な小学生であれば、そうした差別行為をしても叱られるぐらいで済まされるかもしれぬ。 しかし、大人が公共の場でやるのは、重大な過ちである。 もし日本社会がそれを容認するならば、日本社会は、国際社会から容認されぬ。

そして松本という男のコメントは最低である。 自分達の演出が正当であると考えるなら、その旨を弁明するべきであるし、本当に悪かったと思っているなら、謝罪しなければならない。 それを「面倒くさいので」などと小学生のように拗ねることで批判をかわそうとしているのだから、悪質である。

そういう態度を取る以上、松本が言う通り、浜田と松本が全て悪い、ということになる。彼らは差別主義者である。 人種間の対立を煽り、分断を図っている、反社会的勢力である。 それを擁護し、同様に謝罪しない日本テレビも、人類社会に対し挑戦する差別主義勢力ということになる。

私は『論語』は好きではないが、かの書物には、次のように記載されている。

過ちて改めざる、これを過ちという。


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