これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
日本語で書かれた膠原病学の教科書、といえば、塩沢俊一『膠原病学 改訂 6 版』(丸善; 2015). が名著である。 膠原病に関心のある医師ならば、必ず、この教科書を読んだことがあるだろう。 私も、この日記で過去に、この教科書に言及したことがある。 特に、2015 年 11 月 4 日には『膠原病学』の「抗二本鎖 DNA 抗体は SLE に特異的である」という記載に対し噛みついた。
塩沢教授については、2016 年 9 月 25 日の記事において 「九州大学が輩出した優れた教育者である」という趣旨の記載をし、九州大学を賞賛した。 しかし本件について、ある人から「塩沢教授は神戸大学の出身である」というご指摘をいただいた。
私の確認不足である。 塩沢氏を教授として迎えた九州大学の見識が高いことは間違いないのだが、「輩出」というのであれば神戸大学を挙げるべきであった。 たいへん失礼した。
ところで、上で紹介した 2015 年の記事を読み返して、少しばかり恥ずかしくなった。 当時の記事の医学的水準が低い、といっているのではない。むしろ逆である。 医師 3 年目の現在、名古屋大学 6 年生の頃あるいは研修医 1 年目の頃に比べて、はたして医学に対し、より深く真摯な考察を積み重ねるようになっただろうか。 特に病理研修が始まってから、診断業務に直結しない医学的研鑽が、おろそかになっているように思われる。
名古屋大学時代の同級生諸君から「奴も、その程度の医者になったか」と嗤われることのないよう、心して医学と向きあう所存である。