これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
患者の気持ちを考えろ、というようなことを、私は、言いたくない。 というのも、私は、いささか頭がオカシイようで、世間の標準から少しばかりズレており、要するに非常識な人間だからである。 医学転向する前の私を知っている人であれば、私が「患者の気持ちを考えろ」などと言っているのをみれば噴飯するであろう。
しかし遺憾なことに、医学・医療の世界においては、私は、かなりの常識人であるように思われる。 あまりに医者連中が世間から乖離しているので、相対的に、私はマトモなのである。
詳しいことは、書けぬ。 しかし、救いを求めて病院にやってきた患者を、諸君は、自分と対等の人間として、みているだろうか。 患者の苦しみを、まるで自分のことであるかのように、真摯に受けとめることが、できているだろうか。
医は仁術である。 諸君は、いつのまにか、そのことを忘れ、「助けてやろう」と、上からみおろしているかのような錯覚に、とらわれていないだろうか。
患者に対し、横柄な言葉遣いをする者は少なくない。 高齢者に対し、まるで幼児に接するかのような話し方をする医師や看護師は、なぜか、多い。 些細なことのようであるが、そこには、相手を格下にみる意識が潜んでいる。 そして、そういう意識が、もっと重大な事案を引き起こしているのであるが、本人達は、気づいていない。 悪意がないからといって許されるものではない。